BNPで心疾患の早期発見を1|人間ドックなら東京の同友会 春日クリニック

季刊誌「お元気ですか」67号インデックス

文中の肩書は取材当時のものです。

BNPで心疾患の早期発見を1

医療法人社団同友会 品川クリニック所長 横松 守

医療法人社団同友会 副理事長
春日クリニック 医師
高谷典秀

日本における心疾患による死亡はがんなどの悪性新生物についで二番目であり、高齢化に伴い今後もその割合は増加することが予想されています。
その一方で心疾患は早い段階で発見し、さまざまなリスクの軽減や投薬などの治療によって病状の進行を予防することが可能です。

一概に心疾患と言いましてもさまざまな病気が含まれます。
例をあげると狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、弁膜症、心筋症、高血圧性心疾患、不整脈などがありますが、早期の段階では症状のない場合もあり健診や人間ドックなどによる定期的な検査が欠かせません。
通常人間ドックでは心電図検査を用いて心疾患をスクリーニングしますが、その判定は必ずしも心疾患の状況を的確に判断するとは限らず、要精密検査と指摘されても明らかな心疾患が検出されない場合や、逆に心電図で見落とされることもあります。

今回紹介させていただくBNPは脳性ナトリウム利尿ペプチド(Brain natriuretic peptide)の略で、主に心臓の心室という部分から分泌されるホルモンです。歴史的には1988年に日本のグループが豚の脳から発見したためBrainのBをとり脳性ナトリウムペプチドと言われていましたが、その後主に心臓から分泌することがわかりました。

BNPより前に同じグループがANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド、atrial natriuretic peptide)というホルモンを発見していたこともあり、現在では単純にAの次ということでB型ナトリウム利尿ペプチドと呼ばれることもあります。BNPは正常な状態でもわずかに分泌していますが、心臓に負担がかかった状態になると著しく分泌が亢進し血中濃度が上昇します。
現在BNPは心疾患の状態を調べる血液マーカーとして、循環器内科の日常診療においてなくてはならない存在になっています。

採血をするだけで測定が可能なため受診者の負担が少なく、血中濃度として数値で経過を追うことが出来ることも普及を後押ししています。
そこで最近ではさらに、心疾患の早期スクリーニングにBNPを利用する試みが行なわれるようになってきました。米国におけるフラミンガム研究という地域住民を対象とした試験では、3,346人を平均5年間追跡したところ、BNP高値のグループが正常のグループに比べ心不全に陥る危険度が3倍以上であったと報告されています。

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