慢性腎臓病とは2|人間ドックなら東京の同友会 春日クリニック

季刊誌「お元気ですか」66号インデックス

文中の肩書は取材当時のものです。

慢性腎臓病とは2

春日クリニック医局長 坂本 夏子

医療法人社団同友会
品川クリニック 所長
横松 守

治療のキーポイント早期発見には微量アルブミン尿の検査を

どのような疾患でも早期発見が原則ですが、糖尿病腎症についても例外ではありません。顕性腎症期、特に腎機能が悪くなってからでは腎症の進行阻止は困難ですが、 早期腎症期に発見し十分な治療を開始すれば腎症が寛解する可能性が高いということが明らかになっています。
このため腎症の早期発見は非常に重要ですが、この時期 には腎症に基づく症状は無く、一般検尿でも尿蛋白は陰性のことが多いため臨床症状や一般検尿のみでは腎症の発見が困難です。そこで早期発見には腎症の発症早期に出現する微量アルブミン尿の有無を定期的に検査していくことが必要になってきます。

推算糸球体ろ過量(eGFR)を知る

慢性腎臓病の治療では腎機能の低下度に応じたきめ細かな対応が必要です。これには腎機能の指標であるGFRを知ることが極めて重要ですが、測定法が煩雑なため臨床的に用いるのは困難です。
臨床的な腎機能の評価は血液中のクレアチニン値やクレアチニンクリアランスという検査を用いて行っていますが、これらの検査による評価にはいくつかの問題点があることも事実です。
この様な理由から昨年日本腎臓学会よりGFRが推定できる計算式が発表されました。性別を分けてこの式に年齢、クレアチニン値を入れればeGFRを求めることができ、簡単に腎機能の評価を行なうことが可能になりました。

まず生活習慣の改善を

糖尿病腎症の治療は血糖のコントロールを良好な状態に保つことが基本ですが、その他に腎症の進行にかかわる危険因子をとり除くことも必要です。
それには生活習慣の改善が必要で、危険因子とされている食べ過ぎによる肥満、高タンパク食、味の濃い高食塩食、喫煙などを避けることが必要です。

血圧のコントロールは厳重に

高血圧は血糖と同様に厳格なコントロールが必要であり、その降圧目標は糖尿病を合併しない場合より低く設定され130/80mmHg未満となっています。
また蛋白尿が1日1グラム以上出ている場合にはさらに低125/75 mmHg未満を目標とすることが推奨されています。使用される降圧剤は多くの場合血圧下げるだけでなく腎保護作用を併せ持つアンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬というものが第一選択薬として用いられています。
そしてこの降圧剤を使用することで腎症の発症や進行が抑制されることが多くのデータから明らかになっています。

特定健診が生活習慣病予防の鍵

糖尿病や高血圧症などの生活習慣病が原因となった慢性腎臓病が増加してきました。このため生活習慣病の厳重な管理が大切ですが、その発症を未然に防ぐことができれば最良です。
それには糖尿病や高血圧症が発症してくる流れの上流にあるメタボリックシンドロームに対して早期に介入し、生活習慣病の発症を防ぐことが必要になってきます。
幸い今年からメタボリックシンドローム対策として特定健診が開始されますので多くの方々にこの健診を受けていただき、生活習慣病の発症予防に役立ててもらいたいと思います。

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