春日クリニック医局長
坂本 夏子
胃内視鏡検査とは
胃内視鏡検査は、受診者がベッドに横になり、口からチューブ状の内視鏡を飲み込んで頂いて、食道や胃、十二指腸の内部を様子を、モニターに映し出される映像でチェックする検査です。
内視鏡は1868年に、ドイツの医師が金属製の管を「呑剣師」と呼ばれる軽業師の胃に挿入したのが始まりと言われています。その後、100年以上の歴史の中で、胃鏡、胃カメラ、ファイバースコープ。電子スコープと名称を変えながら進化しました。2002年には鼻から挿入する直径約5mmの極細径の経鼻内視鏡が発売され、ますます進化しています。
チューブ状の内視鏡を飲み込まなければならないと聞くと、苦しいのではないかという恐怖感もあるかと思うのですが、昔と比べて、今は受診者への負担は軽くなっています。
内視鏡は、太いものでも1cm程度、細いものでは先端が5mmというものもあります。
検査器具も進化していますが、より楽に検査を受けていただくために、咽頭への局所麻酔も行なっています。
検査の準備段階として、ゼリー状の麻酔薬を、5分くらい咽頭にためてもらいます。その後、内視鏡を入れる直前にも、スプレーで麻酔薬を咽頭に噴霧します。
麻酔が効いて、ご自分で飲み込むという感覚ではなく、力を抜いて口を開けているだけで、カメラは抵抗なく自然に入っていきます。そのため、内視鏡が入らず検査が中止になるようなケースはほとんどありません。
検査にかかる時間も、だいたい5分から、長くても10分程度で終わってしまいます。体力にあまり自信がない人が、バリウム検査で様々な姿勢をとり続けることは、意外にも大変なものですから、高齢者にもおすすめできる検査です。
春日クリニック第2の内視鏡検査室
早期なら開腹せずに治療できる
検査をしている中で、胃の中にポリープなどの病変が発見されることもありますが、大腸のポリープとは異なり、その場で切除したりすることはありません。
状況に応じて、生検を行なうために、病変部の細胞の一部を採取することもありますが、その際も痛みは生じません。
万一、胃がんが発見された場合には、開腹による胃の全摘出、または部分切除などの外科手術を行なうことになりますが、早い段階で見つかった胃がんや食道がんの場合には、内視鏡による治療を行なうことができます。
内視鏡治療は胃の容量も機能も残りますから、体への負担も遥かに少なく、回復も早い治療法です。QOL(生活の質)の低下を防ぐためにも、早期発見はやはり重要です。
初期症状がないからこそ健診が必要
胃がんは早期発見が重要とご説明しましたが、初期の段階では、何も症状が現れない人がほとんどです。ある程度進行したときに、はじめて胃が痛いとか、食欲がなくなるとか、あるいは体重が落ちるなどの症状が見られるようになります。
胃がんだけではなく、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などの病気を見つけるということでも、内視鏡検査は優れておりますので、何か胃の調子が悪いとか、胸焼けがするとか、そういった症状がある場合には、早めに検査を受けて頂くことをおすすめします。
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