特定保健指導の実施に向けて1|人間ドックなら東京の同友会 春日クリニック

季刊誌「お元気ですか」64号インデックス

文中の肩書は取材当時のものです。

特定保健指導の実施に向けて1

医療法人社団同友会 産業保健本部産業保健指導部 部長 医学博士 三輪真也

医療法人社団同友会
産業保健本部産業保健指導部 部長
医学博士 三輪 真也

今、日本では糖尿病患者が急速に増えており、2002年の統計によると、740万人の患者がいます。
1997年の統計では690万人なので、数字の上では6年間で50万人の増加となっております。
しかし、これだけではなく、境界型糖尿病と呼ばれる糖尿病予備軍を含めますと、1370万人から1620万人へと増加しており、この5年間に250万人、約20%も増えているのです。
私たちは、境界型糖尿病も立派な疾患であると捕らえていますので、いかにウナギ登りで増えているかが分かります。

同じように、高血圧や脂質異常症、過剰な内臓脂肪蓄積の問題を抱えている人も非常に多く、高血圧は約3900万人、脂質異常症は約2200万人、肥満の方は約2500万人ともいわれています。ところが、これらの体の異常は、健康診断などの検査結果として、数値で示されるだけで、自覚症状などはありません。
そのため、高血圧や脂質異常症で実際に病院にかかっている人は、僅か10~20%くらいというのが現状です。

このように代謝異常を有する方が非常に多いので、当然メタボリックシンドロームの診断基準を満たしてしまう人も増えてきています。
診断基準を満たしている方と、その予備軍の方を合わせますと、男性では51.4%と、過半数を超えています。一方女性の場合は、男性と比べると、20.3%となり、メタボリックな方は一見極端に少ないのですが、安心はできません。
女性の場合、内臓脂肪蓄積を判断する腹範囲の基準が、甘くなっているため、低めにカウントされているためです。(女性では腹囲90cm以上となっていますが、実際は77cm以上が適切であると言っている研究者もいます。)

メタボリックシンドロームには食生活や運動習慣などの生活習慣が大きく関係しており、日本人の生活習慣の悪化に伴い、メタボリックな方が急増しているわけです。
怖いのはここまでメタボリックな方が多いと、「赤信号みんなで渡れば怖くない」という心理状態になる事です。
人が渡っていれば車は止まってくれますが、動脈硬化は止まってはくれません。
よって「内臓脂肪、皆でつけて動脈硬化」となってしまいます。ひとたび狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などを発病しますと、命は助かっても、重大な後遺症が残るケースも珍しくありません。
そうなりますと、その方は仕事ができなくなりますので社会全体の生産生の低下、医療費問題、そしてもちろん当人や介護をしなければならなくなるご家族のQOL(生活の質)の低下など、ダメージは計り知れないでしょう。

そこで厚生労働省を旗艦とした、国を挙げての特定保健指導が始まる事になったのです。

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