季刊誌「お元気ですか」63号インデックス
※文中の肩書は取材当時のものです。
枕の話
枕があわず、色々と買い換えた経験のある人も多いかと思います。睡眠は体だけでなく脳を休息させるためにも大切です。眠りが浅い、いびきや肩こり・腰痛がある人は、枕選びを見直してみてはいかがでしょうか。
脊椎はS字を描いており、頚椎は後頭部からのど仏の方へ湾曲していて、このカーブを自然に支える高さの枕が理想です。
あわない枕は頚椎に負担がかかります。頭部が落ち着かないと睡眠が浅くなります。
高すぎる枕は、首の下に隙間ができ、顎を引いたような状態になります。喉が狭まり、いびきをかいたり、肩や首の筋肉に負担がかかるため頭痛や肩こり、首のシワの原因になったりすることもあります。枕の高さがあっていても敷布団が柔らかすぎて肩~背が沈み込むと、やはり首の下に隙間ができてしまいます。
低すぎる枕や枕をしない場合は、頸椎を支えられないので寝違いや肩こりを誘発したり、頭に血がのぼってむくんだりします。頭部が沈み、顎が拳がり、首がのびてしまい口が開いた状態になるので口呼吸となり、いびきの原因にもなります。
自分の枕の高さを出してみましょう、
- 2人組になって測ってもらう人はまっすぐ前を見てリラックスして立つ。
- 測る人は測られる人の後ろに立ち、両肩の付け根と同じ高さの位置の頚椎と後頭部の一番飛び出ている部分を結ぶように手をあてる。
- 掌と首のカーブの最も深い所までの距離を測る。
これが枕の高さ選びの目安になります。
性別、体型、年齢など個人差はありますが、1~6cmといったところです。実際に枕を使用し寝てみて、顎を軽く引いた高さで首などに圧迫感のない物を選びましょう。
寝返りをうったり横を向いたり、色々な姿勢を試してみてください。枕の素材が出し入れできるタイプであれば、高さの調節が可能です。自分の敷布団の硬さも考慮してください。本人の使用感が大切です。
素材:そばがら、パイプ(ストローを短く切ったような形で、大きさ、硬さなど種類が豊富)、コルマ(中が空洞で1cm程度のプラスチックボールに2つの大きな穴があいている)、羽根、ヒノキ、ビーズ(超極小の発砲スチロールビーズ)、低反発ウレタン(NASAの宇宙飛行士のために開発されたスポンジ状の素材で、柔軟性に優れ体圧分散効果がある)、エステルわた(わた状の人工繊維。クッション性に優れている)、コンフォロフトわた(エステルわた素材の中でも、繊維の中に空洞を空けた特殊加工がなされた上質なわた)等があります。
形:中央が凹んだものは、凹に頭がおさまるので安定感があります。横から見て流線型の形になっている波型は、首元をサポートしてくれます。ハートのような丸い形のものは、首元部分のボリュームが抑えられ首への負担が軽減されます。波型、ハート型ともに低反発ウレタン枕によく見られます。
硬さ:硬めが好きな人はパイプ、そばがら、ヒノキ等が、柔らかめが好きな人はわた、羽根、低反発ウレタン等を選ぶようです。
通気性:パイプ、そばがら、ヒノキ、コルマ、羽根が優れており、低反発ウレタン、わた、ビーズは熱がこもりやすいです。
香り・におい:無臭なのはわた、パイプ、コルマです。天然の香りではそばがら、ヒノキです。羽根は独特の臭いがあります。また、低反発ウレタンも使い始めには、ウレタン独特の臭いがあります。
ムシ:つきやすいのは、羽根、そばがらです。つきにくいのはパイプ、低反発ウレタン、エステルわた、コンフォロフトわたです。
その他:水洗いできるものは時々洗ってください。そうでないものはその枕に応じて、日干し・陰干しをしてください。
アレルギーやぜ喘息のある人は、そばがら枕は避けてください。エステルわたも埃がたまりやすいので、やはりアレルギーや喘息のある人はご注意ください。
快眠のために、季節によって枕を変えてみるのも良いかもしれません。
保健師 澤橋悦代