医療法人社団 同友会
医師 小島洋
白内障という名前は日常会話に登場することもあるでしょうし、ある程度のことは皆様もご存知のことかと思われますが、緑内障という名前はなんとなく聞いたことがあったとしてもご家族・親戚・知り合いにでも該当する方がいらっしゃらなければ内容まではよく分からないというのが一般的ではないでしょうか。
1年ほど前だったと思いますが、テレビのコマーシャルで「NTG」という某製薬会社のスポット広告がありました。実は正常眼圧緑内障の略の3文字だったのですが、誰が見ても何を意図したのか分かりにくかったのが実際で、緑内障の啓発にはあまり役にたってなかった様に思われたのが惜しまれました。
文字のとおりに白く見えるから白内障というのであれば、緑内障は緑に見えるのかというとそう簡単なものでもないようです。白内障につきましては水晶体という柔らかいレンズのような構造物が硬くなったり、障害を受けたりすることによって、水晶体が濁ってしまい見えにくくなる病気で、人工水晶体に置き換える手術を受ければ治ります。
かたや緑内障は簡単に一言ではいかないという奥歯にものが挟まったような表現になってしまいます。と申しますのは、私どもが学生時代に購入した眼科の書籍を見返してみても当時の講義や試験を思い出しても「緑内障は健常眼圧をこえた眼圧のために機能的・器質的な視覚障害をきたした状態」と表現されておりました。
今回たまたま同友会の一施設で眼底撮影を読影して得られた緑内障関連について1年分をまとめて集計分析した結果を一昨年夏の第46回日本人間ドック学会学術大会で発表し、さらに学会誌に緑内障を発見するための眼底写真の見方に関する論文も学会誌に掲載されました。
その過程におきまして大学の図書館等で眼科学会や関連する文献(論文)等に目を通して勉強させていただきましたところ、日本眼科学会のホームページにも掲載されております緑内障ガイドラインは昨年10月にも改訂を加えられておりまして「緑内障は、視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である。」といった記載になっており、高眼圧という意味の言葉は消え、昔の緑内障の考え方とは変わってきております。
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