順天堂大学 糖尿病内分泌内科
三輪真也
はじめに(メタボリックシンドロームって何?)
一昨年4月にメタボリックシンドロームの診断基準が公表されました。
メタボリックシンドロームとは一言で言えば、動脈硬化性疾患の高いリスク群です。
代表的な動脈硬化性疾患は脳血管障害(脳卒中)や虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)ですが、これらの疾患は年々増加しており(特に虚血性心疾患)、合計すると死亡原因や医療費で最も多いものとなります。
それだけでなく、後遺症を残したりして、皆様のQOL(生活の質)を下げてしまったり、介護問題などを引き起こす結果となります。
とにかく諸悪の根源は内臓脂肪
動脈硬化のリスクとして内臓脂肪蓄積、高血糖、高脂血症、高血圧が以前からよく言われてきました。
喫煙など他にもリスクはあるのですが、この4つが横綱級に悪いリスクなのです。喫煙などは大関クラスという事です。
この4つのリスクがどれだけ動脈硬化に良くないかというと<図1>を見て下さい。
4つのうち1つ持っているだけで、動脈硬化性疾患のリスクが5倍となり、3つ以上持っていると30倍以上というように、併せ持つほどリスクが累積するのです。
おまけに、これらのリスクは併せ持ちやすいという特徴もあります。このため、以前は“死の四重奏”と呼ばれた事もありました。
さて、4つとも横綱級に悪いのですが、特に正横綱とも言うべきものは内臓脂肪です。なぜかと言いますと、<図2>を見て頂けたら解ると思います。これは4つの危険因子の関係を示したものです。
内臓脂肪蓄積が諸悪の根源とも言えます。すなわち悪い生活習慣が内臓脂肪をつけ、血管をボロボロにするわけです。
ですから動脈硬化を予防するためには、高血圧や高脂血症や糖尿病の治療をしなければいけないのは勿論ですが、過剰な内臓脂肪を減らさなければ、根本的な解決にはならないと言う事になります。
さらに、内臓脂肪がたまり過ぎている状態では、血糖値や血圧や血中の脂肪がちょっと高いだけでも動脈硬化の危険性が非常に高くなる事がわかってきました。これらを元にメタボリックシンドロームの診断基準が決められました。
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