東邦大学名誉教授
産婦人科学会専門医 医学博士
春日クリニック医師 小倉久男
婦人検査の画像診断には経膣超音波検査、MRI検査、CT検査がありますが、一般的には前二者の方法が行われます。
経膣超音波検査は膣より直接超音波の機械を入れてみる方法で、比較的小さな子宮筋腫や子宮腺筋症、卵巣腫瘍(卵巣嚢腫、卵巣がんなど)の診断に有効です。
特に卵巣腫瘍では単純な漿液性(水様性)、粘膜性腫瘍、チョコレート嚢胞(図1)、出血性嚢胞などの診断に有効で、短時間で検査ができます。MRIは磁気の共鳴装置を使って子宮、卵巣を立体的に詳しく検査する方法で、子宮筋腫(図2)などでは出来ている場所、個数、大きさ、子宮内膜との関係などが判別でき、精密検査としても、また、手術時の手術方法の判断にも必要となってきます。卵巣腫瘍でも卵巣がんと一般良性腫瘍、腫瘍の種類の識別に使われます。
腫瘍マーカーはいろいろありますが、特に重要な3つのマーカー(SCC、CA125、CA19-9)について検査をしています。
SCCは子宮頚がんの腫瘍マーカーで初期がんではほとんど変化は見られませんが、がんが進行している場合や隠れている場合、また手術後の追跡に有効です。
CA125は卵巣がんのマーカーとして有名ですが、子宮内膜症(チョコレート嚢胞)の時も上昇を示しますので子宮内膜症のマーカーとしても使用されています。CA19-9は膵臓、胆嚢系のマーカーとして開発されましたが、ある種の卵巣がんの時にも高値を示します。良性腫瘍の中で一番多く見られる皮様嚢腫(奇形腫)と呼ばれ、毛髪や脂肪などが入っている腫瘍で高値を示します。
更年期の検査では問診とともにホルモン検査をします。
検査するホルモンはE2(エストラジオール)、LH(黄体化ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)で、E2は卵胞ホルモン(エストロゲン)で、エストロゲンは別名美人ホルモンと呼ばれ、女性にとってあらゆる意味で重要なホルモンですが、更年期になると低下してきて、終りには測定できなくなります。
LH、FSHはゴナドトロピンとも呼ばれ、更年期には上昇します。更年期の主症状は発汗とのぼせ感で、エストロゲンを投与しますと消失します。
乳腺検査(乳がん検査)では触診とマンモグラフィ、超音波検査があります。触診により、乳腺の状態、腫瘤の有無などを診察し、マンモグラフィや超音波検査を行います。現在では小さながんは触診では発見できない事があり、乳がん健診にはマンモグラフィをする様に厚生省から勧められています。マンモグラフィはX線を使用し、乳房を挟んで検査するので圧迫や軽い痛みがありますが、乳がんの発見には優れている検査法なので積極的に受診して下さい。
春日クリニック第二での婦人検査は以上ですが、健診の際にもいろいろ簡単な質問をお受けしています。普段なかなか婦人科に行かれない方も多いと思いますのでお気軽に相談してください。なお、春日クリニックでは、専門外来として一般婦人科外来(月、木、金、13:00~17:00)を開設しています。