平成20年11月20日、東京千代田区にある電設健保会館にて、同友会医学講演会を開催しました。講師として虎の門病院放射線診断科の黒崎敦子先生をお招きし、健康診断における胸部X線とCT検査の特徴と有効性をテーマとしてお話を頂きました。今回は黒崎先生のご講演「ここまで判る胸部CT/単純写真からCTへ」の内容をご紹介します。

悪性新生物、すなわちがんによる死亡率を部位別に比較してみると、肺がんで亡くなる方が非常に増えてきています。平成18年のデータでは、男性で1位、女性でも大腸がん・胃がんに次いで3位となっており、健診による肺がんの早期発見率の向上が望まれています。

私たちの体は無数の細胞によって形作られていますが、全ての細胞には協調性があります。そして古くなった細胞は死に、新しく生まれた細胞に入れ替わりつつ、それぞれの役割を担っていますが、がん細胞というものは、自分勝手に増殖して、最終的には宿主を死に至らしめるという、体にとって何一つ良いことをしない不良細胞です。
肺がんは、肺の入り口付近に出来る肺門部肺がんと、肺の奥のほうに出来る末梢部肺がんの、大きく二つに分けられます。肺門部肺がんは、痰を採取して検査する喀痰細胞診が有効ですが、末梢部肺がんの場合には画像診断が有効とされています。
画像診断に最も用いられてるものが胸部単純写真ですが、最近はCT検査もよく行なわれるようになっています
。ある程度の大きさを持つ肺がんの場合には、胸部単純写真でも80%を発見できますが、淡く小さな肺がんの場合には、発見率は23%まで落ちてしまいます。小さな肺がんを発見するにはCTによる検査が一番で、6mm以上のものであれば95%見つけられると言われています。そこで、胸部単純写真の特徴とその限界、そしてCT検査の特徴とメリットについてご説明します。
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