人間ドック用語解説 | 肝機能

ビリルビン
総ビリルビン
基準値:
0.20~1.0mg/dl
直接ビリルビン
基準値:
0.4mg/dl以下

赤血球が壊れるとき、ヘモグロビン(血色素)が分解されて作られる黄色い色素が間接ビリルビンです。
これが肝臓の酵素の働きで直接ビリルビンになり、胆道に排泄されます。検査では直接型と間接型をあわせた総ビリルビンと直接ビリルビンの値を測定します。

総蛋白
基準値:
6.5~8.2g/dl

血清中に含まれる蛋白の総称で、生命の維持に大切な役割をしています。肝機能や腎機能の障害などで代謝異常が起こると総蛋白値が変動します。

炎症・感染症・アレルギーなどで増加しますが、喫煙・食後・激しい運動後・ストレスなどでも数値は上がります。
年齢や体質による影響もありますが、極端に数値が増加したり減少したりした場合は、精密検査が必要です。

アルブミン
基準値:
3.7~5.5g/dl

血清蛋白の主な成分で、総蛋白の50~70%を占めています。肝臓の障害や炎症などで低下します。

A/G比
基準値:
1.30~2.00

血清蛋白の主な成分であるアルブミン(A)とグロブリン(G)の量の比率を表したものです。アルブミン低下などでA/G比も低下し、その程度によって病気の重症度がわかります。

総蛋白は数値が高くても低くても、何らかの異常が疑われます。特に肝臓疾患や腎臓疾患・膠原病・感染症・消耗性の疾患などで変動しますが、下痢や嘔吐などで脱水がある場合は高値に、栄養不足などで低値になる場合があります。
アルブミンは肝臓で主に作られるため、急性肝炎や肝硬変など肝臓に障害があると大幅に減少し、A/G比も低下します。
他の肝機能・腎機能などの検査項目とあわせて診断する必要があります。

膠質反応
TTT
基準値:
0.5~6.5U
ZTT
基準値:
2.3~12.0U

血清蛋白の代謝に関連する検査で、主に肝臓の機能を見る検査です。検査試薬でチモールを用いるのがTTT、硫酸亜鉛を用いるのがZTTです。

肝炎・肝硬変・膠原病・自己免疫疾患・慢性炎症・高脂血症などで増加します。
TTTは、妊娠や更年期以降に上昇します。
ZTTは胆汁うっ滞やネフローゼ症候群などで低下します。
他の肝機能・脂質・CT・腹部超音波などの検査とあわせて診断する必要があります。

逸脱酵素
GOT(AST)
基準値:
0~40IU/l
GPT(ALT)
基準値:
0~45IU/l

身体の重要な構成要素であるアミノ酸をつくる酵素です。

GOTは主に肝臓・心筋・骨格筋・腎臓の細胞に多く、GPTは上記の臓器に含まれていますが、特に肝臓に多く含まれています。

肝機能障害(肝炎・肝硬変・脂肪肝など)・心筋梗塞・筋肉の疾患(筋ジストロフィー・筋無力症など)で増加します。外傷や溶血性疾患などでも増加します。
飲酒や運動後、肥満や薬物・ストレスなどでも上昇します。

LDH
基準値:
120~245IU/l

糖を分解してエネルギーをつくるときに働く酵素です。肝臓・腎臓・肺・心筋・骨格筋などの細胞に多く含まれています。

LDHが多く含まれている臓器に何らかの異常がある場合、血液中に流れ出し、高値を示します。
肝機能障害・筋肉の疾患・心筋梗塞・血液疾患・悪性腫瘍などのスクリーニング検査としておこなわれますので、この検査だけで疾患を特定する事はできません。妊娠や運動などでも上昇します。

ALP
基準値:
104~338IU/l

血清中のアルカリフォスファターゼを調べる検査です。ALPは体内の有機リン酸化合物を分解する酵素で、あらゆる臓器に含まれますが、肝臓・腎臓・骨・骨盤・小腸に比較的多く含まれます。

ALPが多く含まれる臓器に障害が起こると、血液中に流出しますので、肝機能障害(肝炎・肝硬変など)や胆管の疾患(胆管結石など)・骨の疾患などの異常を知る事ができます。
また、ALPは胆汁中に排泄されるので、胆汁の流れが悪くなると、特に高値を示します。脂肪食・血液型・薬品などの影響を受けやすいので、他の検査とあわせて診断する必要があります。

γ-GPT
基準値:
男 0~79IU/l
女 0~48IU/l

蛋白質を分解する酵素の一つで、肝臓・腎臓・膵臓・小腸などに多く含まれます。

アルコールや薬剤などで肝細胞が壊れたり、胆管が詰まったりしたときに血液中に流出します。

特にアルコールに敏感に反応するため、アルコール性肝炎の診断に役立ちます。
高値の場合、薬物が原因以外はアルコール摂取が原因の場合がほとんどです。飲酒習慣のある場合はできるだけ節酒につとめましょう。
また肥満による脂肪肝などでも高値を示す場合もあります。

コリンエステラーゼ
基準値:
男 245~495U/l
女 198~452U/l

肝細胞で合成されて血液中に分泌される酵素です。肝細胞が働かなくなり、コリンエステラーゼがつくられなくなり、血液中の値が低くなります。

肝硬変などの肝機能障害、重症消耗性疾患などで低下し、脂肪肝・ネフローゼ症候群・甲状腺機能亢進症などでは増加します。女性は生理中や妊娠中は低下します。薬剤でも変動します。
※H19年4月より基準値変更

LAP
基準値:
30~78IU/l

ロイシンなどの蛋白質を分解する酵素で、特に胆汁中に多く含まれます。胆管の閉塞などで胆汁がうっ滞すると血液中の値が増加します。

肝機能障害や胆管障害を探る検査として用いられますが、異常部位の確定はできないため、必ず他の検査と組み合わせて診断します。女性は妊娠にて上昇します。

ウイルスマーカー
HBs抗原
基準値:
陰性(-) 8倍未満
HBs抗体
基準値:
陰性(-) 8倍未満

肝炎ウイルスのうちB型肝炎ウイルスに感染しているかを調べる検査です。

抗原が陽性の場合は、肝機能が正常でもウイルスが体内にいることを意味します。抗体のみ陽性の場合は、過去の感染の痕跡で、問題ありません。

HCV抗体
基準値:
陰性(-)

肝炎ウイルスのうちC型肝炎ウイルスに感染しているかを調べる検査です。

C型肝炎は慢性肝炎に移行する可能性が40~50%で、その後、肝硬変に移行し肝がんを発症する可能性が高いといわれてます。陽性の場合は精密検査と経過観察が必要です。

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